もうそろそろ2017年が終わりますね。
うちの会社は12月決算なもので、人事評価に関わる面談を一気にやっています。
スタッフ本人との面談もやってますが、マネージャーと面談している中で、
「情報感度が悪いんだよね・・・」
っていう話になりました。
もう少し具体的に書くと、
チームミーティングでアイデア出しの課題を出した。
「就業時間以外の日常生活の中で、電車の中吊り広告とか、コンビニとか、商業施設とか、休みの日にも色々な情報に触れますよね?
それらから何か新しい企画に活かせそうな素材を見つけて、アイデアとして週明けに報告してきてね」
結果、やってきたのは1人だけという状態…orz
という報告を受けたので、なんでそうなったのかの分析してみました。
目次
顧客に対して良いアウトプットを出すための循環図
このチームというのが、BtoBの提案アウトプットと、BtoBtoCのエンドユーザーに対してアウトプット・売上成果が求められるチームのため、ここでは「顧客」に対してのものとした。
それがこの循環図だ。
では、1つ1つ解説していきたい。
1.良いアウトプットを出すという結果
まず、良いアウトプットを出した時に得られる「得たい結果」から逆算したい。
「得たい結果」は何か?
ここを最初に定めておかないと、違う目的地に辿り着いてしまうので、注意が必要だ。
なるべく最短距離で行きたいと考えるからだ。
仕事にはスピード感が求められる。
漠然と「これをやってください」と指示を出されても、
「えっ?なんでこれをやらなきゃいけないの?」
と、意図とか目的を伝えないと、動かない人もいる。
なので、
「こういう目的で、この結果を得たいので、これをやってください」
という表現で伝えないと、目的、得たい結果と違うものが出てくる可能性がある。
なので、しっかりと「得たい結果」を明確にする必要がある。
また、最初のうちは、アウトプットイメージを手書きでもいいから、ビジュアル化して渡すと認識の違いが少なくなるでしょう。
言葉で伝えただけでは、明確な指示にはなりません。
箇条書きで並べて欲しいのか
比較表のような表を出して欲しいのか
グラフイメージがいいのか
具体的に伝えないと思ったものと違うものが上がってきますので、
あとから「これじゃない!」と伝えても、それは伝える側が悪いです。
最初はどういう穴埋めをしたらいいのか、例示を出す必要があります。
゛
2.どういう感情を得たいか?
感情、動機づけの話です。
今日マネージャーと話してみた中では、外部的要因と内部的要因があるなと考えたので、以下に分類しました。
感情のポジティブとネガティブ
動機づけの外部的要因と内部的要因
この2軸のマトリクスで、その人が動くのか、4分類できると考えます。
いずれの感情、動機づけも持ち合わせていると思いますが、自分がどこの領域の割合(%)が占められているか、考えてみるのも面白いでしょう。
右上の「ポジティブー外部的要因」は2タイプあると仮定しました。
一つは、報酬=お金さえ良ければ、嫌な仕事だって何だって演る人。一方でお金がいくら良くても、やりたくない仕事は引き受けない人もいるでしょう。
もう一つは、お金は関係無く、人から感謝の声をもらえる、褒められたい、認められたい(承認欲求)思いを得るために、動く人もいます。
左上の「ポジティブー内部的要因」は、
相手からの評価はどうでもよく、自身の成長に繋がるから、困難なことにも立ち向かうという修行型の人もいます。
左下の「ネガティブー内部的要因」は、
相手から悪く言われたくない自己防衛型です。
相手を負かしたい、見返したい、舐められたくないなど、内部的要因とは言いますが、相手に依存しています。
回避行動のようにも見えますが、自分の内側から出てくるネガティブな感情をエネルギーに頑張れる人でもあります。
右下の「ネガティブー外部的要因」は、
物理的な目に見えるマイナスがあるものです。
処罰が怖い、減給されるのは困る、何かしらのペナルティが与えられるということを会費するために、最低限の行動をとろうとするものです。
ここの割合が強い人は、逆に言うと、このペナルティが存在しない場合は、サボる確率が高いものと推測します。
3.顧客に対して興味を持つ
感情と動機づけで、行動するためのエネルギーの一部を手に入れました。
その次は、相手に対する興味・関心です。
良いアウトプットというのは、「受け取る側にとって良いもの」でなくてはなりません。
アウトプットの内容をプレゼンする、相手にとって嬉しい「プレゼント」でなくては意味がありません。
プレゼンとは、「プレゼント」です。
欲しくないプレゼントをもらっても、嬉しくありませんよね?
相手が欲しがってるプレゼントを渡してあげましょう。
そのためには、相手に興味を持って、何が欲しいのかリサーチすることが大切になります。
何に興味・関心があって、今その相手は何で困っているのか、何を差し出されたら喜ばれるのか、いくらくらいまでだったらお金を出してもらえるのか、など調べられることをリサーチするのです。
分からなければ相手に直接質問したっていいのです。
当てずっぽうで変なプレゼントを渡されるよりも、渡されて嬉しいものを受け取った方がいいです。
事前に聞き取りを行わず、サプライズで渡すのでもいいですが、外れた時にはタメ息をつかれてしまうこともあるでしょうから、勝算が無い時には素直に聞きに行った方がいいでしょう。
質問・ヒアリングする時のコツとしては、
「同じ方向を向いていますよ」
「より良いものにしていきたい」
という意思を前提条件として伝えれば、協力は得られるはずです。
4.アウトプットの仮説を立てる
相手に渡すもののイメージが掴めてきたら、アウトプットの内容・構成を考えていきます。
この時、なぜ「仮説」と書いたかというと、実際にリサーチをしてみたら、現実に存在しないものの場合があるからです。
顧客の要望というのは、結構支離滅裂で、ふわっとした理想論のイメージを語られることもあるため、それをそのまま実現しようと思っていざリサーチをしてみたら、全く同じイメージのものは存在しないことが、まぁあります。
そのため、「仮説」を立てることによって、そこに近いものや類似のイメージのものを集めるための準備を行います。
5.アウトプットの穴埋め問題を作る
仮説を立てたら、ストーリー、シナリオ作りをします。
完璧である必要はありません。
ここには、こういうイメージの素材を当てはめていけばいいか、と想像しながら、全体の骨子を組み立てていきます。
たくさんの穴がある資料でよいのです。
そして、これから穴埋め作業をしていきます。
なぜ、穴埋めか?というと、
人間の脳は質問されると、その答えを探すという機能が備わっているからです。
「ここの穴埋め問題に入る、キーワード・素材は何だろうか?」
という質問を投げかけると、脳は答えを考えて探し始めます。
人間の脳の特性を活かした質問を自分に投げかけると、答えを早く探すことができます。
6.穴埋めのためのアンテナを張る
穴埋め問題を作った段階で、アンテナを張ることには成功しています。
答えを得られる場所へ行ったり、
関連しそうな参考書籍を読んだり、
キーワード検索をしたり、
するかと思います。
この時、できれば答えを一つ見つけたら、関連リンクなども含めて、答えを1つ見つけて終わりにせずに、最低3つ程度同じ答えを見つけて、初めて正しい答えということにしましょう。
なぜ複数の情報源から同じ答えを探さなければならないかというと、
一次情報であるかどうか?
二次情報ではないか?
ウソ、デタラメな情報ではないか?
特にネット上には、プロ・公式の情報もあるのは勿論ですが、素人が思い込みで書いた情報なども書かれているからです。
ですので、見つけた情報が正しいのかどうかも常に調べて、正しい情報を得ましょう。
信頼できる有識者に繋がりがあるようでしたら、その方にお伺いを立てるのも一つの手です。
例えば、法律的な問題が関わるのであれば、弁護士の先生に確認するのは必須と言えるでしょう。
7.穴埋めする・並び替え・デザイン
情報を収集したら、アウトプットの仮説で作った穴埋め問題に答えを埋めていきます。
恐らく、この段階で一発目で最初に立てた仮説通りにいくことは少ないと思います。
仮説が崩れたり、新たな仮説が生まれたり、その時その時で状況は変わると思いますが、
慌てずに4〜6のプロセスを繰り返し行います。
このプロセスを何度も繰り返し、精度を高めていきます。
※めんどくさい!と思うかもしれないが、このプロセスをめんどくさがらない人が得たいものを得るのです。
そして、情報が出揃ったら、ストーリーの構成を見直す必要があれば、並び替えを行います。
また、併せて表現方法としてデザイン面の装飾を施していきます。
見せ方というのは大事で、第一印象を良くするか、悪くするかによって、相手から受ける評価も大きく左右されてしまいます。
例えば、
資料の場合、
「見た目汚いけど、内容は良いから見てください!」
異性との付き合い
「見た目はキモいけど、性格はいいやつなんで、一度付き合ってください!」
料理
「出した料理の見た目は焦げてて不味そうだけど、食べてみたら美味しいので食べてください!」
というような押し付けは、相手にとって迷惑でしかないので、なるべく見た目は良いものにして、渡すようにしましょう。
ちょっとした一手間で、勝率が大きく上げられるならば、やった方がいいでしょう?
まとめ
いかがでしたか?
良いアウトプットを出すための循環を考えてみました。
長々と書いてしまいましたが、
たくさんの部下指導・教育を行っていると、
「今どこのプロセスでつまずいているのか?」
を図解化しておくと、現場のリーダーたちが使えるツールにもなり、解説するのに便利そうなので、せっかくだから長文記事にしてみました。
営業指導とか、部下指導とかの役に立てば嬉しいです。
シェア等ご自由にお使いください。
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